オランダ 出産ドゥーラサポート ケース1 促進剤
こんにちは!
オランダ出産トータルサポートサービスを提供するMIRAKUのドゥーラ朝倉麻耶です。
どの出産も、決して一つとして同じものはありません。妊産婦さんの年齢、出産場所、季節や時間、そして立ち会う医療チーム、全部を同じ状況に準備することもできません。
初産の方は、何もかも初めて。
経産婦さんにとって、上のお子さんを連れては、初めて。
前の出産後、引っ越しして、慣れない土地での出産。
色々なシチュエーションがあるでしょう。
MIRAKUは、出産トータルサポートとして、妊娠期、出産中、そして産後を通して、妊産婦さんとその家族の精神的、身体的に寄り添ってケアをします。
これから、少しずつMIRAKUの出産ドゥーラレポートを書き残していきたいと思います。
ケース1の今回は、ラストミニッツでの促進剤!
まず、出産ドゥーラ選びにあたり、浮かぶ疑問。。。
ドゥーラはいつお願いすればいいの?
実際にどんなことをしているの?
出産に駆けつけてくれる、って、いつ連絡すればいいの?
助産師や産科医と何がどう違うの?
ドゥーラのいる意味は?
実際に、ドゥーラサポートさせていただきましたJ花さんのケースをご紹介しながらそれらの疑問に答えてきたいと思います。
J花さんのケース
- 第二子
- 予定日を超過した妊娠41週1日
出産ドゥーラのご依頼を受けたのは、出産予定日が過ぎたあたりで、ラストミニッツ。
産前面談などする時間も残されておりませんでしたので、「お産始まり次第、駆けつけサポート開始」でまとまりました。
ドゥーラレポート
とある日曜の朝
7:30
ご主人様から連絡があり、「8時半に病院で落ち合いましょう!」と。
私が住む町ではなかったので、車で30分強で病院へ到着し、ご夫妻と初対面。
8:30
J花さんは、既に破水済み、そして子宮口は5センチ開いていました。
今回は直前でのご依頼で、出産当日が初顔合わせでしたので、簡単な自己紹介を陣痛の合間にし、今回と前回の妊娠流れと出産などについてお話を聞きました。
第一子は、難産でバルーンを使用しての出産で、長時間かかっていたこと。
無痛希望だったはずが、大して効力を感じず終いだったこともあり、今回の出産に大きな不安を抱えてらっしゃることを、お話しくださいました。
10:00
産科医、触診。5センチより進歩せぬまま。
本格的な陣痛の痛みではないものの、少しでも緩和になればと思い、マッサージ等施術。J花さんから「いいわぁ~」と言っていただけたので続けました。
10:35
産科医により、静脈麻酔と促進剤の点滴が開始。
口元が乾燥していましたが、なかなかご自分でコップを持って飲むという行為がつらい(気が回らない)と思い、サポート。
11:15
看護師により、静脈麻酔と促進剤の点滴、増量。以降、毎30分増量。
赤ちゃんのモニタリングがあり、動きは制限されていますが、同じ態勢は辛いということで、態勢を変えるお手伝い。促進剤入る前より始め、腰をさする行為は、息み開始までずっと続けました。彼女は、陣痛の合間はさすり、陣痛の間は手を置くのみが好みでした。
常にJ花さんの横に立ち、休みなく腰をさする、小まめに水分補給を促す、汗を拭く。
今回のケースは、お産のみのサポートで限られた時間の中でしたので、J花さんとの少ない会話を元に、彼女の身になり、その場で何が一番求められているか。を考えて行動しました。
ご主人様は同席されてはいましたが、預けている上のお子様やご家族との連絡等もあり、J花さんのサポートは、全てドゥーラの私に任せてくださいました。
13:10
産科医を呼びに行きました。
病院到着以降、10:35から毎30分に看護師は点滴増量の為、部屋を訪れますが、産科医は、10時と10時半の二回訪問して以来でした。
基本、助産師や産科医は、息む少し前からしか付き添いません。
陣痛に耐えている最中は、定期的に診察に来るのみです。
簡単に説明すると、医療サポートチーム=産科医、助産師と看護師(自宅出産の場合は、クラームゾルフ)、そして妊産婦さんの個人的サポートチーム=パートナー、家族とドゥーラになります。
13:15
息み開始
J花さんの左側に看護師、正面に産科医、そして右側に私が立ちました。
13:25
女児誕生。
J花さんから「是非へその緒を切ってください」と仰っていただき、大変光栄な経験をさせていただきました。
13:55
後産、縫合など終了。
しばし、ご家族だけの時間を持っていただくため退席。その間にランチを取る。
14:40
再度、病室へ入室。
まずは、改めてお祝いのお言葉がけを家族皆さんにしたのち、J花さんとお話をしたり、家族写真をお撮りしたり、足のマッサージをしたり。
16:00
お産サポート終了
後日のJ花さんとの面談で
産後4週間目、お産を振り返るお話をさせていただいたとき
「お産の時は、MIRAKUさんがいてくれて、とても心強かったです」
「陣痛中、何も言わなくても、何がしてほしいか分かってくれた。ありがとう!」というお言葉をいただきました。
私も「わたしこそ、へその緒を切るという大役をいただけて光栄でした!」とお話しさせていただきました。
サポートを終えて、思うこと。
今回は、ラストミニッツでしたが、ドゥーラスケジュール的に余裕がございましたし、上手く連携が取れ、お産に立ち会うことができました。
しかし、理想は、やはり余裕をもってご依頼していただき、少しでも多く、長く時間を共有することにより、より良い信頼関係を築けたうえで、横で寄り添わせていただけると、妊産婦さんとご家族にとってさらなる安心度につながると信じています。
もしもギリギリになってしまう場合は、スケジュールの空き、契約条件を確認し、小まめに連絡を取ることをお勧めします。
ドゥーラ付き添いの出産は、妊産婦さんの選択です。まだまだドゥーラの存在をご存じない方も多いですが、一般的には妊娠出産だけでも、大きな変化で不安も戸惑いも多いです。その気持ちをドゥーラと一緒に妊娠出産を過ごすということで、軽減し、二度とないお子さんの誕生の瞬間をより自分らしく、心穏やかに迎えれるように願っています。
そして、妊娠出産という大事な期間中のイザというときに、妊産婦さんとその家族にとって痒いところに手を差し伸べる存在で居続けたいと思います。