オランダ 出産ドゥーラサポート ケース2 妊婦の家族 ~パートナー編~
こんにちは!
オランダ出産トータルサポートサービスを提供するMIRAKUドゥーラの朝倉麻耶です。
どの出産も、決して一つとして同じものはありません。妊産婦さんの年齢、出産場所、季節や時間、そして立ち会う医療チーム、全部を同じ状況に準備することもできません。
初産の方は、何もかも初めて。
経産婦さんにとって、上のお子さんを連れては、初めて。
前の出産後、引っ越しして、慣れない土地での出産。
色々なシチュエーションがあるでしょう。
MIRAKUは、出産トータルサポートとして、妊娠期、出産中、そして産後を通して、妊産婦さんとその家族の精神的、身体的に寄り添ってケアをします。
これから、少しずつMIRAKUの出産ドゥーラレポートを書き残していきたいと思います。
ケース2の今回は、妊婦の家族サポート ~パートナー編~!
出産ドゥーラは
妊婦さんを始め、パートナーとそのご家族を応援し、全力でサポートします。
私の出産ドゥーラとして役目は、共に歩み、素敵な出産にするお手伝いをすることだと思っています。
出産ドゥーラの持っている経験や知識を最大限に活かし、妊婦さんの声を聴き、励まし、アドバイスするも、決して独り歩きせずに、ガツガツ自己流を押し付けず、妊婦さんとご家族の出産を後押しする。
お産の主人公であり、そして出産ドゥーラの第一優先は妊婦さん!
ですが、パートナーや、お産に付き添われる家族にも寄り添います。
実際に、私が出産ドゥーラとしてサポートさせていただいたケースをお話しします。
I子さんのケース
- 初産
- 夫婦とも非オランダ国籍
- 心配や不安を感じやすい
ドゥーラレポート
I子さんの出産ドゥーラになったのは、妊娠後期突入前。
何度か面談を重ねるうちに、彼女自身が心配性だけではなく、パートナーも不安になってらっしゃるということ。
「なるようにしかならないもんだ!」と口では割り切っているつもりでも、I子さんからしてもパートナーは不安を感じ、尚且つ父親になる実感!というものが足りないのではないか。
そこで、出産ドゥーラの私に、相談してくださいました。
I子「私もパートナーも初めてのことで不安や分からないことだらけなの。もうすぐ妊娠後期にも入るというのに、パートナーは父親になる準備ができていないように思うので、サポートしてほしい!」
私「では、今度の面談では夫婦で参加し、出産準備コースにしましょう!」
それから私は、彼ら夫婦にとっての参加型の出産準備コースの計画に入りました。
コースの柱は、全体的な妊娠出産の流れ、I子さんが不調の時に気の利く緩和術、お産までの夫婦の過ごし方をお伝えする中で、パートナーにより自信をもってもらい、少しでも父親になる不安を軽減させたいと考えました。
出産準備コース当日は、プリントだけではなく、Rebozo(南米産の大きなストール)、赤ちゃん人形、スイング等も持参し、視覚的プレゼン、実践練習やロールプレイをしました。
コース中の大まかなガイドラインはあるものの、夫婦の話を主導で、あっちの話題へ、こっちの話題へと回り道しながらでも、要所はお伝えし、その流れで、I子さんご夫婦の気持ちに余裕が出るように考えました。
最後には、出産ドゥーラとしてではなく、既婚者の先輩としてのアドバイスさせていただきました。
出産準備コース後日
I子さんからの連絡で、パートナーが少しずつ前向きになったこと、そして赤ちゃんが生まれるまでの夫婦の時間を大切に考えてくれて、ドレスアップしてレストランへ行きました!と、報告がありました。
そしてお産当日
パートナーは「立ち合い出産したい気持ちは山々だが、血を見ると倒れてしまうタイプなので、出来るかわからない」ということでした。
I子さんのお産中、彼なりの心の準備として、病院内を徘徊されていました。その間、長時間にわたり私はI子さんにマッサージをしたり、アロマオイルを用意したりと二人で過ごしました。
後日のI子さんとの面談で
パートナーも出産に立ち会うことができ、ご夫婦で喜んでらっしゃいました。そしてI子さん、「パートナーが徘徊して不在の間、片時も離れず一緒にいてくれて心強かったわ。彼には時間が必要だったし、私もあなたと二人でお産に向けて集中できた」と嬉しいお言葉をいただきました。
サポートを終えて、思うこと。
このように、夫婦やご家族にとって、安全なお産だけではなく、心にも最善なタイミングで新しい家族を迎え入れていただけるように、強く励ませる存在でいたいです。